アポロ13号と福島第一原発

1970年4月、アポロ13号は宇宙空間で爆発事故を起こしました。 NASAは状況を確認し、幸いにも乗組員は無事であるが司令船の酸素残量が見る間に低下していること、このままでは月面着陸どころか地球へ戻ってくることすら危ういことを知ります。 このときのNASA…

『誤訳に学ぶ英文法』に学ぶ(ネタバレ注意)

ロアルド・ダールの短編を題材に、原文と翻訳を比較して誤訳している箇所から英語を学ぼうという、柴田耕太郎さんの『誤訳に学ぶ英文法』というシリーズがあります。 この正月にロアルド・ダール短編集を読んだのでさっそく『誤訳に学ぶ英文法』を読んでみた…

ダビンチ・コードに出てくる「驚かす」系の英単語

“天使と悪魔”に続いて、“ダビンチ・コード”に出てくる「驚かす」系の英単語をまとめてみました。 ※前回‐〔「驚かす」系の英単語ってなんで他動詞ばっかりなんですかね?〕 Amazed, he watched the truck disapper around the corner. (p.111) “I'm astonishe…

英語ののど

英語で“のど”といえばthroatですが、のど系の単語が他にもあるので洋書で解剖シーンなんかが出てくると紛らわしいですね。 のど(喉・咽喉) throat 喉頭 larynx 咽頭 pharynx 気管 trachea/windpipe 気管支 bronchial tube 気道 airway 食道 esophagus 声帯…

「驚かす」系の英単語ってなんで他動詞ばっかりなんですかね?

「驚かす」に限らず、感情に関する英単語は他動詞が多いですよね。 日本語だと「驚く」というように自発的に(?)驚くことができるのに、英語だとほとんど受動態だったり-ed形で形容詞になったりするという不思議。 それはそれとして、先日読んだダン・ブラ…

仮定法と“推測の助動詞”にまつわるQ&A

推測の助動詞は複雑な変化形と多彩な意味のせいで非常に分かりにくい存在です。 例えばwouldであれば、「would=控えめな推量」・「would have done=仮定法過去完了=反実仮想」という2大公式が独り歩きしていますので、実際に英文を読むとすぐに翻弄され…

Still Life with Crows/Douglas Preston, Lincoln Child

Still Life with Crows (Special Agent Pendergast)作者: Douglas Preston,Lincoln Child出版社/メーカー: Grand Central Publishing発売日: 2004/07/01メディア: マスマーケット クリック: 22回この商品を含むブログ (1件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★ペン…

could have doneは“したかもしれない”

can/couldの推測用法について詳しく見ていきます。 English Grammar SecretsからCan have / Could haveのページを引用しますが、なぜか変な順序で説明しているので分かりやすいように順番を入れ替えてあります。 1.can have done/can't have doneについて …

I Thought My Father Was God/Paul Auster

I Thought My Father Was God: And Other True Tales from Npr's National Story Project作者: National Story Project,Paul Auster,Nelly Reifler出版社/メーカー: Picador USA発売日: 2002/09/01メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 31回この商品…

Roald Dahl Collected Stories/Roald Dahl

Roald Dahl Collected Stories作者: Jeremy Treglown,Roald Dahl出版社/メーカー: Everyman発売日: 2006/09/07メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★ロアルド・ダールの短編集。 以前GRのMan from t…

Gone, But Not Forgotten/Phillip Margolin

Gone, But Not Forgotten作者: Phillip Margolin出版社/メーカー: Harper発売日: 2008/05/01メディア: マスマーケット クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★ 何十ページか読み進めないとストーリーがつかめない作品でした。 …

The Last Innocent Man/Phillip Margolin

The Last Innocent Man作者: Phillip Margolin出版社/メーカー: Harper発売日: 2010/11/30メディア: マスマーケット クリック: 10回この商品を含むブログ (1件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★★敏腕弁護士が、とある事件の弁護をきっかけにして自分のそれまでの…

2010年

去年読んだ洋書は51冊、年間で676万語でした。 ほぼ1週間に1冊のペースで読んだことになります。 そしてついに2,000万語を突破しました。 シリーズものでは、Barry Eislerのジョンレインさん、Stephen Hunterのスワガー4部作、Preston‐Childのペンダ…

より縦に長いペーパーバックはちょっとかさばる

Okiraku Paperback blogさんの記事を読んで思った話。 前からHarlan CobenのThe innocentとかMichael ConnellyのNine Dragonsとか、普通のマスマーケット版よりさらにちょっと縦長なペーパーバックの存在が気にはなっていたのですが、今月初めに買った洋書に…

推測系助動詞まとめ

推測系助動詞まとめ 助動詞のうち推測の意味で使われるmust/will/would/may/might/can/couldについて変化の仕方を整理します。 当然ながら、例えばwouldなら推測以外にも過去の習慣やら婉曲やらたくさんの意味があるわけですが、ここでは主に推測の意味に限…

Odd Thomas/Dean Koontz

Odd Thomas作者: Dean Koontz出版社/メーカー: Bantam発売日: 2004/10/26メディア: マスマーケット購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る面白さ★★★★★ 易しさ★★★死んだ人が見える能力を持った若者が主人公。 特殊技能、不幸な生い立ち、…

Fault Line/Barry Eisler

Fault Line: A Novel作者: Barry Eisler出版社/メーカー: Ballantine Books発売日: 2010/04/27メディア: マスマーケットこの商品を含むブログ (1件) を見る面白さ★★★ 易しさ★★★★レインさんシリーズかと思って読んだら全然違いました。続編もあるのでどうやら…

More Twisted/Jeffery Deaver

More Twisted: Collected Stories, Vol. II作者: Jeffery Deaver出版社/メーカー: Pocket Books発売日: 2007/11/27メディア: マスマーケット購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★前作Twistedに続いてどんでん返し…

Nine Dragons/Michael Connelly

Nine Dragons (A Harry Bosch Novel)作者: Michael Connelly出版社/メーカー: Grand Central Publishing発売日: 2010/07/01メディア: マスマーケット クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る面白さ★★★ 易しさ★★★★読む前から評価がいまいちなのを知…

“He would have been four today.”

“would have been 年齢”の形には2パターンあって、これまた例によって限りなく事実に近い場合と全然事実じゃない場合があります。 さらに、全然事実じゃない場合は“would be 年齢”の形も出てきます。 過去への推測 1.William Shakespeare Facts‐AbsoluteS…

“推測のwould”と“seem to do”は似ている

“推測のwould do”とseem to doは似ているところがあります。 seem to doとの類似点 その1 seemというのは不思議なもので、話者の推測の気持ちが文の中に組み込まれています。 例えば、普通の動詞であれば話者の推測は I guess we're back to square one. ★ …

話者の確信と実現可能性は別物

wouldに“反実仮想”と“推量”の意味が別々にあると考えるのは非常にややこしい結果になる、という話を前回紹介しました。 今回は話者の確信と実現可能性は別物だという点について触れていきたいと思います。 You haven't seen the last of Willie!‐The Simpson…

独立用法の功罪

推測のwill/wouldの変化形をまとめてみます。 ※カッコ内は受験の文法項目としての名称にしてあります。 まず、表の左側のwill do/will have done/would do/would have doneはいずれも現在時制です。思っている内容はさておき、「話者がそう思っているのはい…

The Cabinet of Curiosities/Douglas J. Preston, Lincoln Child

The Cabinet of Curiosities作者: Douglas Preston,Lincoln Child出版社/メーカー: Grand Central Publishing発売日: 2003/06/01メディア: マスマーケット クリック: 21回この商品を含むブログ (2件) を見る面白さ★★ 易しさ★★★建設現場から発掘された謎の遺…

Thunderhead/Douglas Preston, Lincoln Child

Thunderhead作者: Douglas Preston,Lincoln Child出版社/メーカー: Grand Central Publishing発売日: 2000/06/01メディア: マスマーケット クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★父の残した足跡を追って、荒野に隠された秘境…

Riptide/ Douglas Preston, Lincoln Child

Riptide (Agent Pendergast series)作者: Douglas Preston,Lincoln Child出版社/メーカー: Grand Central Publishing発売日: 1999/07/01メディア: マスマーケット クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る面白さ★★★★ 易しさ★★★ ペンダーガストシリー…

would never have doneは“絶対ありえない”

今回は“推測のwould”の否定形を見ていきたいと思います。 wouldの否定形と言えば特にneverを使った形がよく出てきます。 このパターンも、“would=控えめな推量”だと思いこんでいるとneverという強い言葉とどうしても噛み合わず混乱しますので注意が必要です…

Why+wouldは“まったく見当もつかない”

前回紹介した過去の出来事に対する推測を示すwould have doneですが、whyとくっついて疑問文になると、これまた強い意味になります。 would have doneが「推測の結果、そうなるに違いない」という意味なので、そこに至る過程に疑問を持つということはすなわ…

would have doneは“推測の結果”(2)

4.would/would have/will haveの比較 (1)“would do”と“would have done”について さて、ふとwould doってなんだっけと思ってしまうこともあるので、would have doneとの比較を見てみます。 a habit of drinking‐WordReference.com “My grandfather had …

would have doneは“推測の結果”(1)

小説『9Dragons』のなかで検視結果を刑事に伝える検視官のセリフに、こんな文章があります。 “I believe he would have indeed been paralyzed. But the projectile lodged in the fourth thoracic vertebra, cutting the cord there. This would have cert…