アポロ13号と福島第一原発

1970年4月、アポロ13号は宇宙空間で爆発事故を起こしました。
NASAは状況を確認し、幸いにも乗組員は無事であるが司令船の酸素残量が見る間に低下していること、このままでは月面着陸どころか地球へ戻ってくることすら危ういことを知ります。


このときのNASAの事故対応は、

  • 全体像を把握して情報を共有する
  • 目標に対していま何が足りないかをはっきりさせる
  • 優先順位を決める
  • 複数のシナリオに対して準備する

といったものでした。


映画アポロ13でも描かれていたように、

  • 司令船の酸素残量が実際に低下しているらしいと分かった時点で、すみやかに救命ボートである月着陸船を起動する
  • ただちに回れ右をして地球に戻るか、それとも月周回してから戻るか、両者のメリット・デメリットを天秤にかけ決断する
  • 地球に帰還するまでの時間をもとに不足する電力量を計算する
  • 使用可能な電力を司令船の最低限の機器に割り当て、残りについては電源を切る
  • 再起動用の手順を作成する
  • 月着陸船の二酸化炭素濃度がいずれ上昇することを予測して、あらかじめ応急のフィルター装着機を作る手順を考える

という作業を並行して行っていました。


映画では次から次へと難題が襲ってくるという演出でしたが、実際には管制官1チーム分をまるごと控室に集めて帰還のための計画を練る任務に専念させています。
1970年当時の一般人はアポロ13号帰還の様子をただただ見守ることしかできませんでしたから、こうした事故対応の内幕を詳しく知ることができるようになったのは事故発生後になってからのことでした。

全体像が見えないから不安になる

我々は福島第一原発の事故に対してただの観客でいることができません。
もちろん原発の復旧に直接手を貸すことは不可能ですが、いま現地で起こっている出来事の全体像と今後の見通しが分からなければ、不安が増すばかりです。


しかし、これまでの政府・原子力安全保安院東京電力の会見では、重要な事実が遅れて報告されたり、水面下の動きが急に明らかになったりしており、果たして彼らが逐次的に目先の事態に対応しているだけなのか、それとも全体像をしっかり把握して目標を設定して何が障害になっているのかを認識して作業にあたっているのか、全く分からないのです。

これまでの経過

3/13原発海水注入「あと数時間で満杯」福山副長官YOMIURI ONLINE

福山官房副長官は13日午前1時50分、東京電力福島第一原発1号機への海水注入作業について「あと数時間で満杯になるのではないか」との見通しを示した。
首相官邸で記者団に語った。
福山氏は「余震などが続くと若干作業が止まる。さきほどの0時前の大きな地震の時に作業が止まったと報告を受けている」とも明らかにした。

この時点ではこの程度の認識でした。


3/14枝野長官「しっかり冷却できれば安定的状況に」YOMIURI ONLINE

枝野官房長官は14日夜、首相官邸で記者会見し、福島第一原子力発電所2号機について、「一時水位が低下し、燃料棒が水面から出る状態が継続した」と述べた。
午後8時過ぎに注水を開始したといい、「水を流し込む作業でしっかり冷却できれば安定的な状況に向かう」とも語った。

安定的な状況とも言っていました。


3/15福島第一4号機で火災、爆発音も…屋根には損傷YOMIURI ONLINE

東電によると、4号機は地震発生時は定期点検中で停止中。プールは使用済み核燃料や、定期点検で炉内整備する際に取り出した核燃料を冷やしながら保管する場所。4号機では原子炉内を整備しており、核燃料もこのプールで同時に保管していた。
地震に伴い、プールは電源を失って水を循環できなくなり、通常40度程度の水温が、85度にまで上昇、東電で監視を続けていた。

そもそも使用済み核燃料プールなるものが原子炉建屋のなかにあることすら、火災が起きるまでみんな知りませんでした。
そして、プールを水で満たすためにどのような方法があるのか、事前に詳しく説明されることはありませんでした。
警視庁の高圧放水車、自衛隊のヘリ、自衛隊の消防車、東京消防庁ハイパーレスキュー隊、民間提供のドイツ製コンクリートポンプ車等々という選択肢があるという事実そのもの、そしてそれぞれいつの段階で投入できるのか、今現在どこまで準備できているのかが示されたのは作業直前になってからでした。


3/16炉心冷却装置の復旧へ、新送電線着工YOMIURI ONLINE

東京電力は、福島第一原子力発電所に外部から電力を供給するため、新たな送電線の設置に着手、原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)の16日中の復旧を目指す。

2度の爆発を経て唐突に出てきた外部電源復旧作業の話。
もちろん下準備があったのでしょうが、それならそれで今どこまで準備が進んでいるのか、何が障害になっているのかという見通しを示すのが普通なはずです。
そういう事前の情報が出てこないせいで誰しもが、もっと早く電源を復旧しておけよ!と思いました。


3/18使用済み燃料、共用プールにあと6400本YOMIURI ONLINE

東京電力福島第一原発には、6基ある原子炉建屋の使用済み燃料プールとは別に、約6400本もの使用済み燃料を貯蔵した共用プールがあり、津波で冷却装置が故障したまま、水温や水位の変化を把握できなくなっていることが、17日わかった。

またしても突然出てきた共用プールの話。
なぜもっと早く言えないんでしょうか。


3/18放水効果まだ不明、電源回復でも機器使えるかYOMIURI ONLINE

電源が戻れば、各号機の緊急炉心冷却装置(ECCS)などが使えるようになるはずだが、地震による損傷も予想され、東電は今後詳しく調べる。
 東京工業大の二ノ方壽(にのかたひさし)教授(原子炉工学)は「電源が供給されたら、たとえ一部でも回復に向け大きな期待がかかる。ただ、津波で塩水をかぶり、機器の中には動かないものもあるはず。それらが動くかどうかチェックも必要で、人間が直接行って確認する必要がある。機器はかなり放射線量が高い場所にあるものもあり、それを覚悟しても行うか、判断をしていく必要がある」と語る。

もちろん電源さえ繋がれば問題が解決するなどとは誰も思っていませんでした。
むしろ、どうせ電源入れたら火事になるんでしょとか、ポンプが海水に浸かってダメになってましたって言うんでしょとか、そういう覚悟はしていました。
でも、何系統かあるうちのこのポンプはOKだけどこのポンプはダメ、発注には最悪何日かかりそう、その場合代替案としてはこういう方法があって、デメリットはこうで、という具体的な話がこの記事が書かれてから10日経っても何も伝わってこないのは明らかにおかしいのです。


3/19電源復旧で緊急炉心冷却装置起動を…全力で作業YOMIURI ONLINE

電源の復旧は、その生命線を復活させるための第一歩だ。「冷却システムは、本来の電源が失われても、非常用電源は使えることを前提としてきた。その前提が崩れて厳しい状況に陥った。逆に電源が回復できれば、できることがたくさんある」と東電のある技術系社員は話す。

情報が伝わってこないと、こうした何気ない漠然とした情報に頼らざるを得なくなります。
3/28時点ではタービン建屋地下に高い放射線量の水たまりが発見され復旧が足踏みしていますが、そうした状況の変化に伴って以前の情報の価値がどう変わるのかがこれでは判断できません。


3/19機器類正常に動くか?電源復旧への課題YOMIURI ONLINE

また、原発設計に詳しい石井正則・元石川島播磨重工業技監は「建屋内に水素がたまっていれば、水素爆発を避けるため、まずは排気系を動かす必要がある」と指摘する。放射能が高い現場での作業が困難を極めるのは必至だ。


通電に成功しても、冷却する機器に故障があれば、原子炉から熱を奪えない。冷却水を貯蔵しているタンクが壊れていれば、新たな水源として、海水をポンプで引く必要がでてくるかもしれない。


石井さんは「原子炉に水を注入するポンプや配管の電動弁がきちんと動くかどうか。海水の影響や長期間止まっていた影響があるかもしれない。作業員の被曝(ひばく)を避けるため、作業時間は限られる。電源確保の準備を進めながら、同時にポンプなどの点検を行う必要がある」と話している。

こういう作業の流れを、政府や東京電力がつぎつぎに公開していないこと自体がそもそもありえません。


3/23中央制御室復旧へ 3号機の照明点灯、福島第1原発‐47NEWS

東電によると、敷地内の高台にあり、1〜6号機とつながる水タンクが無事と判明。このタンクの水を3、4号機で使うための作業も進めた。

電源の復旧によって分かったのか。
もっと前から分かっていたのか。


3/253号機の配管損傷か…1・3号機に真水注入開始YOMIURI ONLINE

東電は同日、1号機でも原子炉から漏出したとみられる水を確認したと発表。2、4号機でも、1、3号機と同様、タービン建屋地下に水たまりがあり、東電は今後、分析を行う。電源復旧などに向けた今後の作業に影響を与える恐れが出てきた。

そもそも水が溜っているかどうか、その水か危険かどうかはとっくに把握しているべきではないんでしょうか。


3/25第一原発に真水注水、米軍支援で週明けにも実施YOMIURI ONLINE

日本政府も発電所近くの「坂下ダム」(福島県大熊町)から真水を採水する方針だが、北沢氏は「ダムだけでは地震の影響で本来の水量を確保できない可能性がある」と述べた。

またしても突然出てきたダムの話。
今回の原発事故ではとにかく安心材料さえも唐突なのです。


3/27東電:プルトニウム量は未測定、絶対ないとは言えず−福島原発敷地内Bloomberg.co.jp

東京電力は27日昼の記者会見で、福島第一原発の敷地内にプルトニウムがある可能性について、「プルトニウムアルファ線だが、どれぐらいの量があるかを測定する装置を当社は持っていない」と述べた。その上で、プルトニウムが出ている可能性があるということか、との問いに、 「測定していない以上は、絶対ないとは言えない」と答えた。
東電は会見で、プルトニウムの有無を分析するための対応について、「今、外の専門機関に出して分析してもらうような準備をしている。準備をしている段階で、まだ出していない」と語った。

プルトニウムは検出されていなかったのではなくもとから測定していなかった。


3/27プルトニウム漏出も調査=土壌採取し分析−東電時事通信

東京電力は27日、福島第1原発各基の原子炉から、毒性の強いプルトニウムが漏出していないか調べるため、同原発敷地内の土壌を21、22両日に採取したことを明らかにした。
東電によると、敷地内の5カ所で土壌を採取、日本原子力研究開発機構と日本分析センターに回された。分析は23日から始まり、結論が出るには約1週間かかる。同様の土壌採取は28日からも週2回続けるという。
プルトニウムは原子炉内でウラン燃料が燃える過程で生成される。

じつはとっくに調査は進めていた。


本来統一されているべき司令塔でも
3/17福島第一原発、午後にも外部電源回復の可能性YOMIURI ONLINE

経済産業省原子力安全・保安院は17日午前9時半すぎに記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所について、「使用済み核燃料を一時保管しているプールに水を入れることが最も優先順位が高いが、次に優先度が高いのは電源の回復だ」と述べ、17日午後にも一部で外部電源が回復する可能性があることを明らかにした。

こうやって優先順位を状況に応じて設定しているのに、


3/18首相、八つ当たり 自衛隊の原発への「放水遅い」‐産経ニュース

菅直人首相は18日午後、笹森清内閣特別顧問東日本大震災の対応をめぐり官邸で会談した。笹森氏によると、首相は福島第1原発で同日午後に行われた自衛隊の放水について「準備ができていたのに、なぜ午後2時前まで待ったのか」と不満を漏らしたという。


 ただ、18日は午前中に外部からの電力復旧作業を優先し、放水は午後に実施するとの手順は事前に決まっていた方針。なかなか成果が見えない状況に首相はいら立ちを募らせ八つ当たりしたようだ。

菅総理にはその優先順位が伝わっていないらしい。
指揮する側が全体像を把握せず方針も定めないならば、国民に全体像が示されないのも当然と言えるかもしれません。

長期化は避けられないとの見通し

施設内の水たまりから高い放射線量が検出されたことから、事態の収束までは長い時間がかかるだろうという見方がより一層強まってきました。


3/26福島第1原発:制御、長期戦に 放射能汚水が作業阻む毎日新聞

東電は22日までに、同原発の全6基で外部電源の受電を完了。1〜3号機では中央制御室の照明も点灯した。今後、真水を原子炉に注入する補給水系ポンプに電源を供給し、原子炉や使用済み核燃料プールの当面の冷却を行う。続いて、原子炉内の水が100度以下に冷える「冷温停止」という安全な状態に持ち込むことを目指す。


しかし、冷却に必要な電源を供給できるのか、できたとしても正常に動くかは未知数だ。特に1、2号機では、タービン建屋の補給水系ポンプが津波の浸水で破損。予備のポンプに交換する予定だが、2号機のタービン建屋では毎時500ミリシーベルトの高い放射線が計測され、遮蔽(しゃへい)などの被ばく対策を施さなければ作業ができない。


また、冷温停止状態に必要な別のポンプは原子炉建屋の中にある。さらに強い放射線があることが予想され立ち入るめどすらたっていない。保安院は「通常だと冷却機能が回復してから約1週間で冷温停止状態になる。今回はそこに持ち込めるのかどうかは分からない」と言葉を濁す。


NPO法人原子力資料情報室」の上沢千尋さんは「電源を喪失した時点で、トラブルが起こることは想定できたはずだ。しかし、東京電力の対応は収束までの見通しを持っているように見えない。このままでは冷温停止状態になるのに1カ月程度かかる可能性がある。さらに冷却システムが機能していないことを考えると、(放射性物質の漏えいが止まる)収束までに年単位の時間を要することもありえる」と話す。


3/26高濃度の水漏れ、配管原因か 循環復旧長期化の恐れ産経新聞

原子炉とタービン間の循環以外にも、外部から海水との熱交換で冷やした水を循環させ、燃料棒を冷やすシステムがある。現在の原子炉への給水だけでは、水は蒸発してしまい十分な冷却効果は得られず、循環・冷却の復旧は急務だ。


ただ仮にポンプが無事でも配管や弁が損傷していると気密性が失われ、循環ができない恐れがある。タービン建屋の地下には配電盤やポンプなど重要な設備があるが、放射線量が高く、修理や交換ができない状態にある。
最優先の課題は、損傷場所の特定だ。東電は中央制御室の計測機器の復旧を急ぎ、圧力などのデータなどから探っていく考え。また放射線量を下げるため、水中ポンプを使い水を排水する作業も急いでいる。


保安院は「どこかで漏れてくれば別のルートを使う。ルートの切り替えは漏れている場所が分かればできる」と、循環は可能とみている。東電も「発想の転換が必要になる」とし、損傷を想定した代替ルートの検討に入った。
一方で、保安院は「水の除去ができるのか、機器の回復ができるのかなど、いくつものハードルがある」とし、復旧の見通しの厳しさも指摘している。


3/26汚染水が状況好転阻む 福島原発、3つの可能性日本経済新聞

東日本大震災で甚大な被害を受けた東京電力福島第1原子力発電所では、冷却に使っていた海水を真水に代え、外部電源の復旧作業も少しずつ進んでいる。ただ、タービン建屋内に放射性物質に汚染された水がたまるなど作業環境は過酷さを増しており、計画通りに作業できず関係者にはいらだちも募る。膠着状態は続くのか、打開のきっかけはつかめないのか。今後の展開を考える。

今後どのようなシナリオが考えられるのか、それすらも公式に語られていないのが現状なのです。


3/27副社長「お騒がせした」=2日連続の訂正発表―放射性物質取り違え・東京電力時事通信

これに先立つ27日午後の会見では、原発事故収束までの見通しに関して「残念ながら何カ月、何年と言えるまで具体的な方策、スケジュールは詰まっていない」と述べた。

当の東京電力がこの先の見通しを立てられないのなら、どうして我々が様々な情報に惑わされることなく冷静に行動できるのでしょうか。


東京電力フランス語

意味のある情報を提供するという、会見のあるべき姿とかけ離れた行動をしておきながら、信頼回復のために謝罪をしても何の意味もありません。



3/28放射線量1千ミリSv以上=2号機建屋水たまり−濃度など多重ミス・福島第1原発時事通信

また武藤栄副社長は同日夜、緊急記者会見し「ヨウ素134とコバルト56を取り違えた。大変申し訳ない」と謝罪したが、再評価ではコバルト56ではなくセシウム134と取り違えていたことが判明。未曽有の原発事故下での致命的な二重のミスで、危機管理の在り方に改めて批判が出そうだ。

さらに間違えてもいまさら驚きません。

悪い話でもいいから可能な限り情報を公開するべき

事態を収束するには、蒸気を漏らさずに炉内を冷却するところまで持っていくことが目標なのでしょう。

503:名無電力14001:2011/03/17(木) 19:08:33.52
これからやるべき事と、収束までの道程


燃料棒露出
   ↓
   ↓冷えないというだけでなく、崩壊に伴う放射線が水で遮られないので近づく事も出来ません
   ↓この状態で放置すれば、どんどん悪化してゆきます。
   ↓
露出した燃料棒を水を覆って、出てくる放射線を防ぐ事 最低4mの深さ 400トンの水が必要
   ↓
   ↓一安心といっても、まだ放射性物質をばらまいてる状態。状態は悪化を続けていますよ
   ↓
蒸発によって失われる水の代わりに海水を注入し続けてゆく
   ↓
   ↓海水を入れてる間は、240Puが出す中性子をナトリウムがガンマ線にして外に出してしまいます
   ↓
海水の代わりに淡水の水道を引いて、淡水を注入する
   ↓
   ↓まだ蒸気をそのま大気中に出してるのですから、まだまだ危険な状態
   ↓
熱交換器を用意して、蒸発させなくても冷却出来る=閉鎖冷却の開始
   ↓
   ↓やっと収束し始めます。この後土壌の安全等を確認してゆく事になるでしょう
   ↓ここから先は、避難地区以外の人は時々ニュースを見る程度の話題となるでしょう
   ↓
内部の海水から不純物を取り除くフィルタを作って、内部の水を真水にする
建屋の周囲をコンクリートで覆う
閉鎖冷却出来るようになって何年か安定したら、やっと収束宣言が出せる

となれば、あとはそのために何が足りていて何が足りないか、足りないものを準備するために何が必要でどれだけの時間がかかるのか、どんな障害があってどんな代替案があるのか、そもそも何を知らないのか、こういった情報を提示するのは一体誰の役割なのでしょうか。
マスコミやネット上の誰かが自主的にやることなのでしょうか。
福島第一原発から20〜30km圏内の屋内退避対象地域から避難するのは住民が自主的にして欲しいと言うような政府ですから、本当にそう思ってるのかもしれません。


全体像や今後の見通しが分かる情報を提示しないからこそ、菅総理の会見に誰も耳を傾けないし、枝野官房長官が「直ちに健康には影響を及ぼさない数値」と言っても説得力がないのです。
良い話も悪い話も全部ひっくるめて包み隠さずありのままに現状を伝えない限り、福島第一原発で行われている作業や新しい事態、次々に発表される数値がどのような意味を持つのかを判断する手段がありません。
判断する手段がなければ、扇動的な情報に惑わされ、冷静に行動することができなくなってしまいます。

321 :名無しさん@涙目です。(広西チワン族自治区)[sage]:2011/03/16(水) 13:36:00.84 ID:+sf99RkJO
なんか対症療法しかやってない気がすんだよなあ
真水の水源と電力の復旧作業を同時進行でやってるのか疑問


333 :名無しさん@涙目です。(愛知県):2011/03/16(水) 13:36:33.81 id:hn691TyA0
>>321
それが謎なんだよな。
そこを報道されないせいでゴールが見えず逆にパニックを煽ってるよね


372 :名無しさん@涙目です。(catv?)[sage]:2011/03/16(水) 13:39:14.86 id:VepXo/4U0
>>321
多分やってない。やってたら会見で言う。安心させるために。


3/27「予断許さず」「念のため出荷停止」 政府の曖昧な説明、膨らむ不安産経新聞

東京女子大の広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)は、これまでの政府の発表を「混乱を起こさぬよう慎重に言葉を選んでいるのを日本人は見抜いている。『何か裏に隠している』との想像力が働いてしまう」と分析する。


特に25日の菅首相の会見は不安をあおるものだったという。「今回の震災は予断を許さないことは誰もが知っている。具体的な方策を示さず精神論を持ち出し、逆に『無策なのではないか』との不安を覚えた」。政府は25日に原発30キロ圏の住人に自主避難を呼びかけたが、広瀬教授は「明確な理由の説明がなく、危険性が広がっていると錯覚させた」という。


放射性物質の拡大や食物への影響など、考えられる“最悪のシナリオ”をすべて公表する必要があったとする広瀬教授。「そのうえで『今はまだこうした段階にない。具体的にこんな対策もあるから安心してくれ』と言うべきだ」と主張する。


経済産業省のHPでは、現在の原子炉の状態を知ることができます。
経済産業省 報道発表
いままでは手探り状態ゆえに、より詳しい配管の様子などは不明だったのかもしれません。
ですが電源が復旧したのであれば、今後はこんな風に具体的なデータをどんどん公開し、また誰にでも分かるような全体の説明もしてほしいものです。


いま、政府や東京電力においてかつてのNASAのようなプロの仕事がされているかどうかは分かりません。
もちろん福島第一原発でいまも困難な復旧作業をしている人達には、本当に頑張ってほしいと思います。
しかし、我々は危機にある宇宙船を眺める観客ではなく、原発事故の当事者になってしまいました。
10年後20年後の回顧録ではなくいまリアルタイムで情報を知る必要がある以上、政府・原子力安全保安院東京電力が正しい情報を国民と共有するのは当たり前のことです。


なにかにつけて終わりだ終了だアウトだと煽って煽って高笑いしたい人がたくさんいる現状ではなおさらです。