World War Z/Max Brooks
World War Z: An Oral History of the Zombie War
- 作者: Max Brooks
- 出版社/メーカー: Duckworth
- 発売日: 2013/05/16
- メディア: ペーパーバック
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易しさ★★★
ゾンビとの戦いにかろうじて勝った世界で、当時の関係者へのインタビューを通じてゾンビ禍を振り返る架空ドキュメンタリー。
ゾンビ発生から始まって、いろんな状況で人々がどんなふうにゾンビと戦ったのかが短編形式で綴られます。作中の有名人は短編をまたいで登場するので、読み返すとああこの話のこの人か、ってなることが多いです。
短編ごとに当たり外れがあって、全体的にはさすが面白いものが多く、こんなゾンビ状況は思いつかなかったなあすごいなあという感じですが、中にはいまいちピンとこないものもあります。インタビューなのにやたら誘導尋問的にBut,Butで反論して相手を批判してみたり、当時を回想する人達の語り口が割と同じトーンだったり。
それにしても出てくる日本人は他になかったのかっていうくらいとんでもない奴が登場しますね。
ゾンビそのものが怖いなと思う話は3個くらいしかなかったです。
個体のゾンビが怖い話はあまりなくて、それよりもゾンビが発生して社会が混乱して秩序が失われていく過程が怖いというところに焦点が当たっているのですが、その怖さがあまり伝わってこなくて淡々としているのです。
もう別にゾンビじゃなくて謎の病気が流行って現代のペストみたいになって的な話でも成立したんじゃないかと思うところもあり、もっともっとゾンビ集団に追い詰められて極限までやばくなってから人類の反撃があったことにしてゾンビならではのストーリーにしてくれたら最高でした。