ゾンビもの洋書まとめ

ゾンビものの洋書ってたくさんあって迷ってしまうので、Goodreadsで評価数の多い順に人気のシリーズをまとめました。
とりあえずGoodreadsのリストでいうと“Zombies!”が最も充実しています。
でも、リストが充実しすぎて極端に評価が低い作品が含まれていたり、恋愛要素メインの作品や、バンパイアもの、ときには全然ゾンビ関係ない本が入っていたり、なかなかどこから手を出していいか分かりづらいんですよね。
そこで、上記リストで評価数が1,000程度あって、おおむね評価4(満点は評価5)前後の作品をここにまとめました(2017.8時点、シリーズ物は1作目の数値)。


自分が読んだものについては以下の項目についても記載してあります。
【文明崩壊度】(文明維持/文明後退/文明圏縮小/ヒャッハー=完全無法地帯)
【ゾンビ単体の強さ】(ザコ/知性あり/混合)
【作品の時期】(ゾンビ禍発生前から/ゾンビ禍発生後から)
作品によっては例えば途中まで完全無法地帯だったのが実は最後に海外在留米軍が生き残ってました良かったねみたいな設定もありますが、そこまで含めて書くとネタバレになってしまうので、上記の項目についてはあくまで作品冒頭での状況として記載することとしました。
ゾンビ洋書を探している人の参考になれば。


World War Z(Max Brooks) avg rating:4.00

World War Z: An Oral History of the Zombie War

World War Z: An Oral History of the Zombie War

ゾンビ禍を克服した世界で、ゾンビ争乱期をドキュメント形式で振り返る作品。
あのころのゾンビは強かったものじゃ、大変じゃった。でも今では解凍ゾンビを倒すのがすっかり春の風物詩になりました。
【文明崩壊度】文明維持
【ゾンビ強さ】ザコ
【作品の時期】ゾンビ発生前から


The Passage series(Justin Cronin) avg rating:4.03

Passage

Passage

ゾンビじゃなくてバンパイアですが評価が高いので参考に載せました。
崩壊した世紀末世界で主人公の少女が放浪しながら世界を救う。という話らしい。


Warm Bodies series(Isaac Marion) avg rating:3.94

Warm Bodies (The Warm Bodies Series)

Warm Bodies (The Warm Bodies Series)

ゾンビが支配する世界でゾンビ(主人公)と人間の心の交流(?)を描いた作品。
主人公がゾンビなのでゾンビ怖くなーい。その分、もう一ランク上の怪物を登場させることによってゾンビ物の怖さを維持しようとしています。
【文明崩壊度】文明圏縮小
【ゾンビ強さ】知性あり
【作品の時期】ゾンビ発生後から


The Forest of Hands and Teeth series(Carrie Ryan) avg rating:3.59

The Forest of Hands and Teeth (English Edition)

The Forest of Hands and Teeth (English Edition)

ゾンビに囲まれた集落には秘密があった。そこで過ごす主人公は否応なしに真実と向き合うことになる。というストーリーらしい。
1作目の評価が低めで2作目以降上昇しているあたり、読者の好き嫌いがはっきりする作品の証拠かもしれません。


Newsflesh series(Mira Grant) avg rating:3.87

Feed (The Newsflesh Trilogy)

Feed (The Newsflesh Trilogy)

ゾンビとの共存を余儀なくされたアメリカでは、かつての主要メディアは衰退し、入れ替わりに個人ブログが報道を担うようになっていた、という設定の話。
あまりゾンビ出てこないし、ゾンビ怖くないし、そもそもゾンビいらないよね、という感想です。
【文明崩壊度】文明維持
【ゾンビ強さ】ザコ
【作品の時期】ゾンビ発生後から


Rot & Ruin series(Jonathan Maberry) avg rating:4.11

Rot and Ruin

Rot and Ruin

ゾンビから身を潜め細々と生きる町で、主人公は兄(プロのゾンビハンター)と旅に出て禁断の真実を知る!
この作品のゾンビは全然怖くないです。1対1では人間が圧勝ですが、物量でゾンビが勝る感じ。
ストーリーはまあまあ、題材も若者向け。でも、今まで読んだ終末ものの中では相当話がしっかりしていると思います。
例えばほかの作品で、せっかくゾンビ設定は面白いのにキャラクターが破綻していたり、思わせぶりな描写が伏線ではなくてただ思わせぶりなだけだったり、小説としてイマイチだなという思うものもありますが、この作品はそのへんちゃんとさすがプロが書いてるなと感じます。
【文明崩壊度】文明圏縮小
【ゾンビ強さ】ザコ
【作品の時期】ゾンビ発生後から


Ashes Trilogy(Ilsa J. Bick) avg rating:3.94

Ashes (The Ashes Trilogy)

Ashes (The Ashes Trilogy)

EMP(電磁パルス)による世界荒廃+ゾンビ禍。
1作目については、前半はすごい面白いけど後半で一気に失速する、と言っている人が何人かいますね。
それでもそれなりに高い評価なので、やはり読んで損はないのかも。


Joe Ledger series(Jonathan Maberry) avg rating:3.98

Patient Zero

Patient Zero

特殊部隊DMSでの主人公の最初の任務は、最凶ゾンビウイルスをまき散らそうとするテロ計画を阻止することだった、というストーリー。
あまりゾンビがメインじゃないみたいです。なので、怖い話ではないらしい。


The Hollows series(Amanda Hocking) avg rating:3.97
ゾンビの襲来により弟と離ればなれになってしまった主人公は、他の生存者たちとともに弟を探すためゾンビだらけの地を北上する、というストーリー。
主人公が超絶強いらしく、機械的にゾンビを倒しまくるので読者が怖がる話ではないとの評がありました。


The Enemy series(Charlie Higson) avg rating:4.08

The Enemy

The Enemy

大人がゾンビ化し16歳未満の子供だけが人間として生き延びている世界、ウワサで語られる安全地帯を目指してロンドン市内を旅する子供たちの話。
結構容赦なく登場人物を始末していくスタイルらしいです。あまりに始末しすぎて感情移入しづらいとの声も。


Infected series(Scott Sigler) avg rating:3.85

Infected: A Novel (The Infected)

Infected: A Novel (The Infected)

感染すると狂暴化してしまうウイルスの正体を突き止めろ!けっこうグロいらしい。


Day by Day Armageddon series(J. L. Bourne) avg rating:4.01

Day by Day Armageddon

Day by Day Armageddon

これは面白い!日記形式の語り口を最大限活用しているのがすごい!
なお、3部作の3作目は3人称のストーリーらしく、蹂躙されたUS本土という旨味が薄い気もするので私は未読です。
【文明崩壊度】ヒャッハー
【ゾンビ強さ】ザコ
【作品の時期】ゾンビ発生前から


This is Not a Test series(Courtney Summers) avg rating:3.87
高校生6人がゾンビから逃れ学校に立てこもった。しかし彼らを待ち受けていた敵は、ゾンビだけではなかった・・・


Ex-Heroes series(Peter Clines) avg rating:3.88

Ex-Heroes: Superheroes vs Zombies

Ex-Heroes: Superheroes vs Zombies

LAはゾンビに飲み込まれ、人間はかろうじてパラマウントスタジオに居場所を求めていた。しかし、人間にはスーパーヒーローが味方していたのだった!


Red Hill series(Jamie McGuire) avg rating:3.91

Red Hill

Red Hill

ゾンビから逃れるため偶然同じ農場にやって来たScarlet、Nathan、Miranda達。愛する者がゾンビになったとき何が起きるのだろうか、、、


White Trash Zombie series(Diana Rowland) avg rating:3.92

My Life as a White Trash Zombie

My Life as a White Trash Zombie

ヤク中&前科者&保護観察中の主人公Angel Crawfordは、ある日目覚めるとゾンビになっていた!


Reapers seriesAlden Bell) avg rating:3.90
文明崩壊から25年。人類はわずかな領域に追い詰められていた。
この終末世界を一人で生き延びていたTempleは、家と呼ぶことのできる場所を見つけ、探し求めていた救いを得ることが出来るのだろうか。


Apocalipsis Z series(Manel Loureiro) avg rating:3.82

The Beginning of the End (Apocalypse Z Book 1) (English Edition)

The Beginning of the End (Apocalypse Z Book 1) (English Edition)

日記形式。ゾンビはたくさん出てきますが、メインはゾンビじゃないような。
作者はなんとかゾンビを中心にしようと頑張ってるんですけど、序盤で主人公がゾンビ禍を認識して以降はあんまりゾンビ怖くないのです。
【文明崩壊度】ヒャッハー
【ゾンビ強さ】ザコ
【作品の時期】ゾンビ発生前から


The Remaining series(D.J. Molles) avg rating:4.07

The Remaining

The Remaining

有事の際に合衆国再建の礎となるべく地下シェルターで待機任務についていた主人公。彼がシェルターのハッチを開けて目にしたものは、ゾンビが支配するアメリカだった。

ストーリーはなかなか面白いし、途中までは良いんですが、後半からは次へ続くこと前提の展開になるんでちょっと中途半端。
あと主人公の気持ちが読めなくなる時がたまにあるんですよね。でも全体的にはなかなか良いですよ。
【文明崩壊度】ヒャッハー
【ゾンビ強さ】知性あり
【作品の時期】ゾンビ発生前から


Monster Island series(David Wellington) avg rating:3.58

Monster Island: A Zombie Novel (The Monster Island Book 1) (English Edition)

Monster Island: A Zombie Novel (The Monster Island Book 1) (English Edition)

ゾンビが我が物顔でさまよう世界。少女部隊がNYで見たものはゾンビよりもおぞましいものだった。


As the World Dies series(Rhiannon Frater) avg rating:3.78

ゾンビが人々を襲い始めたとき、KatieとJenniは生き延びるために互いを支えあい戦友となっていく。


Zombie Fallout series(Mark Tufo) avg rating:4.03

Zombie Fallout 2: A Plague Upon Your Family

Zombie Fallout 2: A Plague Upon Your Family

インフルエンザワクチンが悲劇の始まりだった。サバイバリストMichaelは、家族をゾンビから守り抜き、隠された真実にたどり着くことができるのか?


Morningstar Strain series(Z. A. Recht) avg rating:3.84

Plague of the Dead: The Morningstar Strain

Plague of the Dead: The Morningstar Strain

モーニングスターウイルスは、世界をゾンビだらけの廃墟に変えてしまった。生き延びるために生存者が選んだ道とは・・・!?
なお、作者が亡くなったため3作目からは別の作家さんが引き継いでいます。


Autumn series(David Moody) avg rating:3.67

Autumn

Autumn

突如として人々がその場で倒れ、ゾンビになった。そしてわずかな生存者たちはコミュニティセンターに逃げ込んだ・・・


Dead World series(Joe McKinney) avg rating:3.77

Dead City

Dead City

ハリケーンの夜にゾンビが街を飲み込んでいく。サンアントニオ市警のEddie Hudsonはゾンビの脅威を振り払い、妻と子のもとへ駆けつけることができるのか?

どの版も表紙がグロいので電子書籍必須。


Dead of Night series(Jonathan Maberry) avg rating:3.95

Dead of Night: A Zombie Novel

Dead of Night: A Zombie Novel

死刑囚に投与した薬剤が、世界を滅ぼすきっかけとなった。もはや感染を止めることはできない・・・!


Rise Again series(Ben Tripp) avg rating:3.89

Rise Again: A Zombie Thriller (English Edition)

Rise Again: A Zombie Thriller (English Edition)

Dannyはかつて従軍したイラクでこの世の最悪を見たと思っていた。ゾンビの群れが彼女の住む小さな町を取り囲むまでは。
果たして彼女はこの災厄の中で行方不明の妹を見つけ出すことができるのか!?


Slow Burn series(Bobby Adair) avg rating:3.84

Slow Burn: Zero Day, Book 1 (English Edition)

Slow Burn: Zero Day, Book 1 (English Edition)

大人になりきれない主人公が金の無心のため実家に行ったところ、親がゾンビになっていた。


Until the End of the World series(Sarah Lyons Fleming) avg rating:4.20

ゾンビウイルスが猛威を振るうブルックリンから辛うじて逃げ延びたCassieは、果たして元婚約者Adrianに本当の気持ちを伝えることができるのか!?


Black Tide Rising series(John Ringo) avg rating:4.15

Under a Graveyard Sky (Black Tide Rising Book 1) (English Edition)

Under a Graveyard Sky (Black Tide Rising Book 1) (English Edition)

スミス一家はゾンビ禍から逃れ、外洋へとたどり着いた。そこで彼らが見たものとは!?


Purge of Babylon series(Sam Sisavath) avg rating:4.05

The Purge of Babylon: A Novel of Survival (Purge of Babylon, Book 1) (English Edition)

The Purge of Babylon: A Novel of Survival (Purge of Babylon, Book 1) (English Edition)

“怪物”が支配する世界で、安全な地下シェルターを目指し旅する一団の姿があった。しかし、そこに至るまでの道のりは遠く危険に満ちていた。


The Infection series(Craig DiLouie) avg rating:3.79

Anneたち一行は、ようやくたどり着いた生存者キャンプで、すべての者の生き残りをかけた作戦を引き受けた!それはすなわち、再び恐ろしいモンスターたちの群れに飛び込むことを意味した・・・。


The Extinction Cycle series(Nicholas Sansbury Smith) avg rating:3.94

Beckham曹長率いるチーム“ゴースト”は、Lovato博士がゾンビ化ウイルスの特効薬を見つけるため最悪の任務に就くこととなった。果たして博士が見つけることになる真実とは!?


The Famished Trilogy(Annie Walls) avg rating:4.08

Kansasはゾンビから逃れ4年もの間独りで過ごしてきた。そんななかRudyに出会った彼女は、他の生存者を助けるうち、友情や愛情に勇気づけられていくが、過去の出来事が彼女を苦しませ続ける。


Arisen series(Glynn James) avg rating:3.99

ARISEN, Book One - Fortress Britain (English Edition)

ARISEN, Book One - Fortress Britain (English Edition)

世界はゾンビに飲み込まれてしまった。イギリスを除いては。
人類を救うワクチンを開発する手がかりを捜すため、特殊部隊が最後の任務へと出発した。


Surviving the Dead series(James N Cook) avg rating:4.06

親友の影響でサバイバリストになった主人公。ゾンビ発生後の世紀末世界で、無事に親友と合流して世界を再建できるのか・・・?


Survival series(Tracey Ward) avg rating:4.22

ゾンビ、さらにはThe Colonistsと呼ばれる生存者集団から隠れて過ごしてきた主人公が、一人のギャングとの出会いをきっかけに慣れ親しんだ孤独を捨て厳しい現実に直面させられてゆく。


The Gathering Dead series(Stephen Knight) avg rating:4.02

McDaniels少佐はゾンビウイルスを止められる人物を救うためニューヨークへ潜入した。ゾンビの群れをかいくぐり死の街を脱出せよ!


White Flag of the Dead series(Joseph Talluto) avg rating:4.15

White Flag of the Dead

White Flag of the Dead

Johnと幼い息子Jakeが、Enillo Virus(=ゾンビウイルス)により荒廃したアメリカで生き延びるうち、他の生存者たちは主人公に希望を託すようになる。

とにかく表紙がグロいので、読むなら電子書籍版がいいですね。


A New World series(John O'Brien) avg rating:3.93

A New World: Chaos

A New World: Chaos

ゾンビが支配する終末世界、主人公は子供と数少ない生存者たちを守り抜くことができるのか?

やたら作者の描写が細かい、銃の描写が特にうるさい、主人公が超人過ぎ、などの評価が多いようです。


The Contagium series(Emily Goodwin) avg rating:4.10

Contagious (The Contagium Series Book 1) (English Edition)

Contagious (The Contagium Series Book 1) (English Edition)

何もかもうまくいかず叔母を頼ってインディアナポリスにたどり着いたOrissaは、ゾンビウイルスの猛威の中、一握りの生存者を安全地帯へと導くこととなった・・・。



Ashley Parker series(Dana Fredsti) avg rating:3.84

Plague Town: An Ashley Parker Novel

Plague Town: An Ashley Parker Novel

Ashleyはゾンビウイルスを克服した!果たして彼女は特殊部隊ワイルドカードの一員として人類救済の切り札となれるのか・・・!?


Surviving the Zombie Apocalypse series(Shawn Chesser) avg rating:3.92

Trudge (Surviving the Zombie Apocalypse Book 1) (English Edition)

Trudge (Surviving the Zombie Apocalypse Book 1) (English Edition)

元軍人のCadeは、妻と娘を助けるため、ゾンビにより荒廃したアメリカを3,000マイル横断する。果たして家族を救うことはできるのか?
版によって表紙がやけにグロいので注意が必要。あと銃に詳しいというかうるさいらしいです。


Broken World series(Kate L. Mary) avg rating:3.98

Broken World: A Post-Apocalyptic Zombie Novel (English Edition)

Broken World: A Post-Apocalyptic Zombie Novel (English Edition)

養子に出した娘に会うためカルフォルニアへ向かうVivian。ゾンビの脅威の中、母親となり安全地帯へ逃げ延びることができるのだろうか?


Omega Days series(John L. Campbell) avg rating:3.82

Omega Days (An Omega Days Novel)

Omega Days (An Omega Days Novel)

800万のゾンビが蠢くサンフランシスコ一帯。生き残ったものたちのルールは3つ。
残弾を把握しろ!
逃げ遅れるな!
噛まれるな!


Zomblog series(T.W. Brown) avg rating:3.69

主人公がゾンビ禍をブログ日記で更新(ほんとにノートPCを持ち歩いているらしい)。
閉じこもる系ではなく、各地を旅して危機を乗り越える展開、とのこと。

The Stand/Stephen King

The Stand

The Stand

面白さ★★★★
易しさ★★★

致死ウイルスのせいで世界中が大変なことになって生き残った人たちは謎の力で2つの勢力にそれぞれ集結していく。


読み終わって字数を数えてみて初めて長い話だったんだなと思うくらい、話の長さを気にしないで読んでいました。
世界が大変なことになるパートはとても面白くて、その後の静けさ、主要キャラがそれぞれに世紀末の世界で生き延びていくさまも最高、そのうえその主要キャラクター達が交錯していくんですから文句なしです。
そしてそこからなぜか話に勢いがなくなって、ファンタジー色がなくなり、でも最後の方はまたファンタジー色最大で終わっていきました。
なんというか3つくらいの話を無理やり足してみましたみたいな感想です。
あれあれ?と思いながらも投げ出さないで読み終わったので、面白いは面白いのですが、敵方の強烈キャラがインパクトが凄すぎてそれ目当てで読んでしまったようなところがあり、ちょっとズルいなと思いました。

Red Phoenix/Larry Bond

Red Phoenix (English Edition)

Red Phoenix (English Edition)

面白さ★★★★
易しさ★★★★

1990年のテクノスリラーなので設定は古いのかもしれませんが、独裁体制の北朝鮮が突如38度線を越えて韓国に侵攻し始めたら、、、というストーリーが30年近く経った今でも成立するのは凄いことだと思いました。
どうせただの軍事オタクが自分の好きな兵器をたくさん戦わせてみました、って話だろと思って読むと全然そんなことなくて、意外と(?)登場人物も紋切型なりにそれぞれキャラが立っていて、ストーリーもちゃんとあって恋愛要素も一応入れていて、なかなか飽きずに読めました。
戦闘シーンばっかりで固いかと思いきや、思ったより普通の娯楽小説という感じ。
軍事用語バリバリ過ぎて話が分からなくなった時のために文春文庫の邦訳上下巻を手元に用意して臨みましたが頼らずに済みました。

World War Z/Max Brooks

World War Z: An Oral History of the Zombie War

World War Z: An Oral History of the Zombie War

面白さ★★★★
易しさ★★★

ゾンビとの戦いにかろうじて勝った世界で、当時の関係者へのインタビューを通じてゾンビ禍を振り返る架空ドキュメンタリー。


ゾンビ発生から始まって、いろんな状況で人々がどんなふうにゾンビと戦ったのかが短編形式で綴られます。作中の有名人は短編をまたいで登場するので、読み返すとああこの話のこの人か、ってなることが多いです。
短編ごとに当たり外れがあって、全体的にはさすが面白いものが多く、こんなゾンビ状況は思いつかなかったなあすごいなあという感じですが、中にはいまいちピンとこないものもあります。インタビューなのにやたら誘導尋問的にBut,Butで反論して相手を批判してみたり、当時を回想する人達の語り口が割と同じトーンだったり。
それにしても出てくる日本人は他になかったのかっていうくらいとんでもない奴が登場しますね。


ゾンビそのものが怖いなと思う話は3個くらいしかなかったです。
個体のゾンビが怖い話はあまりなくて、それよりもゾンビが発生して社会が混乱して秩序が失われていく過程が怖いというところに焦点が当たっているのですが、その怖さがあまり伝わってこなくて淡々としているのです。
もう別にゾンビじゃなくて謎の病気が流行って現代のペストみたいになって的な話でも成立したんじゃないかと思うところもあり、もっともっとゾンビ集団に追い詰められて極限までやばくなってから人類の反撃があったことにしてゾンビならではのストーリーにしてくれたら最高でした。

Defending Jacob/William Landay

Defending Jacob

Defending Jacob

面白さ★★★★
易しさ★★★★

裁判シーンと回想シーンが交互に語られるので話をひねるのは難しそうなのに、読み進めていくとストーリーが予想もしない方向へ転がってくのが面白いところ。
主人公サイドはどんどん追い詰められますが、回想シーンで明らかに自分に不利になるような、敵の主張がやっぱり正しいんじゃないかみたいな描写を時折混ぜてくるのがうまいなあと思います。これですっかり誰を信じたらいいかわからずに読むことになるので、そこからまさかこんな風に展開していくとは!という驚きがいくつもあって、どんどん読めました。
ただし明るい話ではなくすっきりしない感じで進みますし、最後は重たいというよりも強烈なブラックユーモアで終わります。

Ender's Game/Orson Scott Card

Ender's Game (The Ender Quartet series Book 1) (English Edition)

Ender's Game (The Ender Quartet series Book 1) (English Edition)

面白さ★★★★
易しさ★★★

SFの名作ということで期待して読んだのですが、主人公が好きでもないのに徴兵されて戦いを強要される設定なので、読んでてずっと重苦しいのです。
何せ本気で戦いを嫌がっているのに無理やり才能を引き出すためにどんどん窮地に追い込まれしかも才能を発揮してしまうというところが中心になってますから、途中で軍事的才能を自覚して給料分だけでも戦争してやりますかくらいの折り合いを見せて娯楽小説っぽくなったりしないのはしょうがないです。
ストーリーはどんどん先が気になる展開で面白かったですが、謎の(?)精神世界的な場面がいまいちピンとこなかったので、オチもいまいちピンとこないまま読み終わってしまい、読後は何か大事なものを見逃したようなもったいない気持ちになりました。

Never Look Away/Linwood Barclay

Never Look Away: A Thriller

Never Look Away: A Thriller

面白さ★★★★
易しさ★★★★

楽しい家族旅行のはずが、ちょっと目を離したすきにとんでもないことに巻き込まれてしまう話です。
この作者だと、どうしてもNo Time for Goodbyeと比べてしまいます。
普通の日常生活を過ごしていたのに、突然不可解な事件に巻き込まれてしまうところは一緒ですが、こちらのほうが重苦しい状況なので読んでいて爽快感はないかも。いろいろ伏線も張ってあるし、じゃああれはどうなんだっていう謎もうまく散りばめてあるし、ページはどんどんめくれるのですが、話を面白くするために登場人物がいろいろな犠牲を払っていますね。
でも、そんなわけないだろってとこも含めて読んでる間は面白かったので良いのです。