英文をスムーズに読む

英文をスムーズに読むためにはどうしたらよいのでしょうか?


1 未知語を減らす
英文を読んでいて知らない表現が出てくると、そこで目の動きが止まります。
これに対応するには、辞書を引き続けて未知語を減らす、先に単語帳などでまとめて覚えてしまう、読む英文を簡単なものに限定して未知語が出てこないようにする、などいろいろな方法があると思います。
また、文中の知っている表現が増えるということは、決まったパターンに当てはめて読めるということでもあります。
少なくとも大衆小説レベルなら決まりきった表現、決まりきった文章の流れがほとんどなので、そうしたパターンをあらかじめ多く知っていれば先が予想できて余計なエネルギーを使わずに読み進められるようになります。
この辺、so〜that…とかtoo〜to…とかenough to〜とか使役動詞・知覚動詞のような受験勉強で覚えた知識がとても役に立ちます。
決まった表現のストックが増えると、単語1つ1つではなく意味のある単語のかたまりで英文を理解できるようになります。その結果として、英文の理解も速くなるわけです。


2 訳読・返り読みをしない
日本語訳を作りながら読んでいたら速く読めません。
訳読しなくても英文を読める人が確認のために日本語にしてみるなら意味のある訓練になるでしょうが、訳読しないと理解できないから日本語に変換しつつ読むのは危険です。
訳読するとたくさん英文を読めないし挫折する可能性がとても高くなるからです。
このデメリットを無視できるくらいの目的意識とやる気があれば話は別ですが、そうでないならばまずは訳読しなくても理解できるレベルの英文を読んだほうが無難だと思います。


また、訳読する過程で返り読みをしてしまうので、この返り読みもしてはいけません。

しかし、同じ返り読みでも、文の後ろまで読んでいるうちに最初のほうを忘れてしまうので目線を戻して読み返すということもあります。
訳読せずに英文を読んでひととおりの意味は分かるけれども、そうやってさらっと目を通しただけでは不安というかすんなり意味が取れないのでついつい返り読みしてしまうケースです。
こうした不安からくる返り読みは、もちろんしないに越したことはないのですが、訳読のせいで起きるわけではないのであまり気にしなくてもいいです。


3 知っている表現に対する瞬発力をつける
そうはいっても最初はどうしても訳読・返り読みをしてしまうものです。
これは癖になっているという面もありますが、簡単な英文を見てもすぐに理解できないから、という理由のほうが大きいです。
ですから、英文をたくさん読んで一目ですぐに意味が分かる状態にすれば、自然と解消されることだと思います。


4 音読速度を上げる
英文を読むときに心の中で音読してしまうクセがある人は多いようです。
脳内音読とか内的音声化などと呼ばれるこの現象ですが、どうしても速読する必要があるわけではないなら無理に矯正しなくてもいいと思います。
かくいう私はバリバリの脳内音読派で、普段洋書を読むときもTOEICの試験中もずっと心の中で英文を読み上げています。
世の中には脳内音読せずに英文が読めるようになる方法もあるようですが、どうせ脳内音読しちゃうならばいっそのこと速く音読できるようにするという解決策というか妥協策も全然ありだと思います。


5 単語のスペル・意味・発音をくっつけて覚える
脳内音読しながら読むなら特に、単語を覚えるときに発音までしっかり確認しておく必要があります。
目標として、知っている単語は見た瞬間に意味と発音が出てくるようにします。
単語のスペル・意味・発音を必ず3点セットで覚えれば、スムーズに脳内音読できるようになり、結果的にスムーズに読めるようになります。<まとめ>
洋書読み始めの頃なら、なぜ英文を読むのがたどたどしいのか考えたときに単語力不足や英文慣れしていないなど、原因がすぐ浮かびます。
しかしある程度の量をこなしていくと、たくさん読んだ割には成長していないような、努力と結果が比例していないような気になることがあります。
例えば、単語を覚えて未知語を減らし英文にも慣れたのに、読む速度は期待以上には速くならず、思ったよりスムーズに読めないけれどもその原因がなかなか分からない、といった状況です。


こんなときは、単語量だけはあるがすぐに思い出せるところまで知識が身に付いていないなど、英文を読むのに必要な能力のバランスが取れていない可能性が高いです。
したがって、努力してる割には…と思っている人は、悲観的にならずに一度なにかの機会に勉強の仕方を見直してみると良いです。上記の項目のなかでなんとなくスルーしているところが必ずあるはずです。
そうやってまんべんなく力を付けていくうちに、脳内音読しながらでも150wpm、200wpmと読むスピードが上がっていくと思います。