GR(語彙制限本)について

洋書を読む人には2種類の人がいます。他の人にGR(語彙制限本=Graded Readers)を勧める人とそうでない人です。
人によってGRへの評価が異なってくるのは、その人がどういうきっかけで洋書を読むことになったかが影響していると思います。


・英語学習がそもそもの目的でその一環として洋書を読み始めたという人は、本格的な洋書を読み始める前にGRを読むことを勧めるケースが多いようです。

・これに対し、読書が目的でたまたまそれが洋書だったという人は、はじめから読みたい洋書が決まっていて、どんなに難しくてもやる気で読み通してしまうので、あまりGRのような英語導入教材の必要性を感じません。


いずれのケースでも、もし読みたい本があればその本を読むに越したことはありません。しかし、実際に洋書を読んでみて挫折してしまったということも起こりうるので、そうした場合にはやはりGRが有効です。

本格的な洋書をいきなり読んで挫折するのは、とにかく難しいからです。

1.分からないところが多くて辞書をたくさん引かなければならない
2.どれが重要でどれが重要でないかが調べてみるまで分からないので
  闇雲に辞書を引くことになる

GRは、このような挫折しがちな要因がかなり排除されているのでおすすめなのです。
また、難易度によって細かくレベル分けされていますので、自分のレベルに合わせて読む本を選ぶことも可能です。
もし選んだGR本で単語や構文を調べまくりという状況なら、もう少し下のレベルを選んで読むことができるのです。

GRのメリット
1.手加減無しの普通のペーパーバックと比べて単語も文章も簡単なので
  読みやすいです。
2.表現が簡単なので辞書を引く回数が少なくなります。
3.表現が簡単なので、使われている表現は基本的なものが大半です。
  このため辞書を引いて調べること自体に無駄が少なくなります。

デメリットとしては「つまらない」「制限されているのがイヤ」「薄いわりに高い」などいろいろあります。
これは確かに当たってる部分もあると思います。
しかし、普通のペーパーバックの長くて複雑なストーリー、容赦なく出てくる知らない単語に敵わなかった人にとっての手助けになることは間違いありません。