Derek Strange and Terry Quinn Series/George Pelecanos

1.Right As Rain
2.Hell to Pay
3.Soul Circus
4.Hard Revolution


過去に一度読んでみて難しくて挫折してこのたび再挑戦。
前回挫折したところあたりまでくると、あとは意外とスムーズに読み進むことができました。
難点としてはDennis LehaneのPatrick Kenzie-Angela Gennaro seriesと同じで、やたら登場人物が多い、会話部分が読み辛い、固有名詞がたくさん出てくるという3重苦。
特に登場人物の多さには本当にうんざりさせられました。
ストーリーも推理要素は皆無なので、そういうのが読みたい場合はこのシリーズはやめておいたほうがいいです。
大体の流れは、ヤクの売人やジャンキーたちの群像が描かれ、主人公たちの別件の探偵捜査がすこしずつそこに重なっていき、最後は全てが1点に集約されるというものです。探偵捜査の描写は丁寧ですが、基本的に一本道で、ひょっとしたらこうだったんじゃないか?いやいや遺留品からするとこうだろう、みたいな会話は全く出てきません。


1.Right As Rain
面白さ★★★
4冊の中では一番ストーリーというか話の目的がはっきりしていた印象。最初の100ページだけでも数十人の登場人物がひしめき、200ページ目になってもまだ新キャラが出てきます。


2.Hell to Pay
面白さ★★
悪者の日常をひたすら読まされる。全然面白くない。同じ悪者でももう少し愛嬌があるとか巨悪だとかせめてそういった要素があればいいのに、この本に出てくる悪者は本当にやることはせこくてクスリのことしか考えていなくて、いざとなったらみっともないし、全部読んだこの苦労はなんなんだと疲れてしまいます。
ラストはなんだか悪に報いが来たみたいなまとめしてるけど、これがアメリカ人の応報感だとしたらちょっとやばいと思う。
悪者に生活狂わされた人達は全然報われていないよね。
登場人物の多さも半端ないです。


3.Soul Circus
面白さ★★
一応出だしからして前作の続き風。これ単体で読むよりは前作を読んでからのほうがわかりやすいと思います。
またしてもヤクの売人同士の抗争劇を370ページ読まされる。370ページ好き放題やりきった悪人に残り30ページであっさり正義が下る。またしても巻き添えを食った人たちは置いてけぼり。
続きが気になる終わり方をしておいて、4作目を読むと思いきり肩すかしです。


4.Hard Revolution
面白さ★★
前3作で本当にちょっとだけ触れられていたDerek Strangeの過去が明かされます。
一応順番としては4作目だけど、外伝的な感じでした。
アメリカが人種問題で揺れに揺れた時代を織り交ぜているのですが、あまり興味がないテーマだったのもあって読むのが辛い。
曲紹介がいつもの5倍くらい多く、後半はうんざりして曲紹介のところは読み飛ばしてしまいました。
登場人物も相変わらずド底辺の小物の悪者ばかり、さんざん他人に迷惑かけるだけかけて、銃弾数発であっさり死んでしまったりする。
自分には向いていないシリーズでした。