The Brass Verdict/Michael Connelly
The Brass Verdict (A Lincoln Lawyer Novel)
- 作者: Michael Connelly
- 出版社/メーカー: Grand Central Publishing
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: マスマーケット
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易しさ★★★★★
『The Lincoln Lawyer』のMickey Hallerもの第二弾。
2度の離婚暦という設定はほとんど生かされていませんが、悪人だろうがなんだろうが何でも弁護する、という主人公は健在。
前任の弁護士の捜査を途中で引き継ぐ事務的作業を丁寧に描くことで、読者も弁護側の動きにすんなり入り込んでしまう書き方は秀逸です。
また、どんな小説も多かれ少なかれご都合主義な面はあるんでしょうが、まったくそうは感じさせないところがこの作者のすごいところ。
そのうえ、謎解きも見事で文句なしです。
そして、なによりどんでん返し。Michael Connellyの読者なら誰しもがあっと驚くどんでん返しを期待して読んでいる中で、それでも当たり前のようにどんでん返しを書いてしまう作者はさすがプロとしか言いようがありません。
なんというか、みんながホームランを期待するなかで当たり前のように打ってしまうのがプロ、盗塁を警戒されている中で当たり前のように決めてしまうのがプロ、そんな感じです。
ましてや、多段どんでん返しを入れてくるなんてホントこの人のペンはどうなってるんだという話です。
ただ、ボッシュシリーズからちゃんと追いかけている読者じゃないと、その衝撃が弱まっちゃうので注意が必要かも。
この手のドッキリは登場人物を殺すみたいなもんで一回しか使えない分、ずるいといえばずるい気もしますが。