The Merci Rayborn-Tim Hess series/T. Jefferson Parker

オレンジ郡の保安官が殺人事件の犯人を追う設定。
ネタバレしないように書くのは難しいので何も書けません。とにかく読むなら順番に読んでくださいとしか。

1.The Blue Hour
面白さ★★★

正統派の殺人鬼追跡もの。
有能でよれよれの老刑事と若くて傲慢な女刑事の組み合わせは面白いですが、いまいち老刑事の有能ぶりがたくさん出てこないのがちょっと残念。
そしてストーリーが盛り上がるのがかなり後半でそれまで正直軽く退屈でした。いったんエンジンがかかればきちんと楽しめる流れになるんですけどね。
それはそれとして最後に自分が苦手なタイプのグロシーンが2ページほど。そこだけは、まるでWhere Serpents Lieの再来のような不気味さでした。


2.Red Light
面白さ★★★

過去と現在が交差するストーリーは良かった。しかし登場人物がとにかく多い。そして話はひたすら内向きに内向きに進んでいってお腹いっぱい。
舞台は組織内部の話で、過去の出来事がこれまた内向きに絡んで行って、主人公は公私共に板ばさみにあってさらに内省して内向きに…。
マスマーケット版500ページのうち、ようやく捜査が面白くなるのが400ページくらいから、というのは展開遅すぎです。
ならば肝心のトリックが鮮やかだったかというと微妙なところでした。


3.Black Water
面白さ★★★

これまた登場人物が多い。そして刑事の事件捜査というよりは私立探偵が嗅ぎ回ってるみたいな主人公たちの行動はどうなんでしょう。
全体的には推理物というより陰謀系サスペンスでした。
一番グッときたのは、後のThe Fallenにも通じる人間の脳がもたらす不思議な感覚のくだりでした。これがなかったら最後の見せ場のシーンもただのギャグです。