I'm a Stranger Here Myself/Bill Bryson

I'm a Stranger Here Myself: Notes on Returning to America After 20 Years Away

I'm a Stranger Here Myself: Notes on Returning to America After 20 Years Away

面白さ★★★★
易しさ★★★

アイオワ州生まれながらイギリスに渡って長らく生活した後、再び母国に帰ってきた著者が見た「アメリカ」について書かれた本です。


1章4ページ程度で読みやすく、内容も身近な日常生活のちょっとした疑問がテーマとなっていてとても面白いです。これに著者の皮肉な視点が輪をかけます。
ときどき「その批判はちょっと的外れかも?」と思うものもありましたが、役所手続きの無意味なまでの煩雑さ、奥さんにも子供にもあきれられているお父さん(著者)の切ない姿などは、外国も日本も同じだなと笑ってしまいます。

また、映画や海外ドラマで見るようなアメリカではなくて、ほんと「普通」のアメリカがどんなものかというのがよく分かります。
もちろんこの本に書かれていることが全米に共通する普通の日常でないことは確かですが、アメリカといってもステレオタイプアメリカ像だけじゃなくてこんな暮らしもあるんだよ、というのが伝わってくるのが良いところです。
鍵をかけずに外出できたりするような、日本の田舎みたいな素朴な感じのする場所がこの国にもあるのだという事を読むと、テレビ経由だけで見てきたイメージと違っていて面白いです。

ハードカバーでの出版が1999年ということなので、あれから時代も技術も大きく変わった今現在のアメリカを著者がどんな風に感じているのかについても読んでみたいなと思います。