Flight: My Life in Mission Control/Christopher Kraft

Flight: My Life in Mission Control

Flight: My Life in Mission Control

面白さ★★★★★
易しさ★★★★★

NASA管制官クリス・クラフトの自伝です。


ジーン・クランツの自伝のあとがきに、師匠も自伝を書いてるみたいです、という記述がありますがそれはこの本のことです。
就職するとき本命だったチャンスボート社のあまりの融通の利かなさにムカついて、結果NACAに入った話に始まって、マーキュリー・ジェミニ計画の短気な裏話が多くて相当面白いです。また黎明期の管理職側の話はクランツの本では分からないことがたくさん書いてあるので、2冊セットで読むと素敵です。

それと先生、やっぱりスコット・カーペンターに対する毒舌が冴え渡っています。ていうかいまだに遺恨。結果月に行ったから良いじゃん、ではないんですよね。ふたこと目には“Dammit!”言ってますから。
つまるところ月に行けたのはみんなが協調して力を合わせたからなのであって、和を乱す奴は師匠的にDammit!なのです。エド・ホワイトが言うこと聞かなくて怒られるのも無理ないのです。大沢親分の『喝!』みたいなもんです。返す刀でシラー大佐もその餌食に…。


英語はものすごく読みやすかったです。ハードカバーで読んだので字が大きかったのが良かったのかもしれませんが、とにかく読みやすい。するするーと進んで気付いたら読み終わってました。もともと興味がある人しか読まないでしょうけど、興味がある人は絶対おすすめです。