Black Cross／Greg Iles

Black Cross (A World War II Thriller)

面白さ★★★★
易しさ★★★

ナチスドイツが究極の毒ガス兵器の開発に着手したとの情報を手にした連合軍は、異色の２人組をドイツ奥地に送り込んだ。神をも恐れぬ非情な作戦を成功させるために…。

ストーリーも登場人物も文句なしです。序盤イギリスでもたもたしますが、一旦動き出したらずっと緊張感を保ったまま話が進んでいきますので上手い展開だなあと思います。
それから敵がただのバカキャラで描かれていないのもポイントが高いところ。残念ながら典型的なナチの将校然とはしてるけれども、敵役としての貫禄は十分です。

主人公達は某施設に潜入しようと試みるわけですが、その内部の人間模様とナチの思惑、そして刻一刻と迫り来るタイムリミット。基調は善と悪の対決ですが、少なくとも善側にはいくつもひねりが入れてあるので単純なストーリーではありません。

ところどころ作戦的にそれはないわーというような無理があるのと、主人公の片割れの平和主義っぷりにヤキモキさせられるのを小説だと割り切れれば、きっと楽しめると思います。