The Gold Coast/Nelson Demille
- 作者: Nelson DeMille
- 出版社/メーカー: Grand Central Publishing
- 発売日: 1991/03/01
- メディア: マスマーケット
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易しさ★★★
古典『華麗なるギャツビー』を、マフィアのドンが隣に引っ越してきたことから始まるNY上流階級の悲喜劇として現代に蘇らせた作品。
いつもならなぜか女にモテモテ中年の軽いジョークで話が進んでいくのですが、今回の主人公は妻子持ちなのでちょっと違います。いや、女にモテモテなのは同じかもしれませんが、憎まれ口が少ないです。これまたデミルの他の作品なら押しの強い中年主人公が周りの嫌な顔を無視して突き進むのが面白いのに、本書だと逆に押されっぱなしで迷惑をこうむる側なので、sarcasm成分が空回りしてる気がします。上流階級の妻へ時たま見せる冷めた視線は十分楽しいのですが。
また、展開が遅いので少し話が長く感じました。まったく異なるライフスタイルが衝突するというテーマのわりには、主人公が逃げ腰なせいでピンとくるエピソードの登場が遅いため、話が動き出すのに時間がかかっているからでしょう。もう少し彼に辛い目をあわせてもっともっと自暴自棄にさせて欲しかったとも思います。
わりと結論ありきのストーリーで、キャラクターの結末までの行動に必然性が薄いのも残念。でも結末自体は大好きなのでここはプラマイゼロです。
アマゾンでは非常に高評価なので、英語力不足で本当には読めてないし楽しめてないんだと思います。いつか必ず邦訳で読み直します。