Places in the Dark／Thomas H. Cook

Places in the Dark

面白さ★★★★
易しさ★★★

どこからともなく現れ、突然姿を消した女。弟はそのために死んだ。主人公は謎を追って旅に出た…。

暗いですが面白かったです。どんでん返しもあり犯人探しものでもあり、ちょっとした誤解や行き違いがもとでそれが運命だったかのように悲劇的な結末を迎えてしまう人々の話です。古典の名作みたいな展開でした。
主人公は欠点もあり弱くてそんなに共感できるわけではなかったですが、ちょっとずつ明らかになる事件の全体像が気になって、止まらずに読めます。
まあ、ちょっとずつ明らかになっていくのは、主人公の捜査のせいというよりは主人公がもったいぶってなかなか事件当時のことを読者に語ってくれないからなんですが。

読んでいくと出来事の順番がバラバラになって出てくるのでどちらかというと読みづらい。いきなり回想シーンになります。
また、途中まで次々に人の名前が出てくるのですんなり読み進められませんでした。これはひととおり情報が出揃ったちょうど半分の地点からようやくスムーズに流れに乗っていけました。

書かれている英語そのものも決して易しいものだとは言えないと思います。せめて台詞部分を全部改行してくれるとちょっとは読み易くなるんですが、そんなこといっても仕方ないですね。