Bringing Down the House/Ben Mezrich

Bringing Down the House: The Inside Story of Six M.I.T. Students Who Took Vegas for Millions

Bringing Down the House: The Inside Story of Six M.I.T. Students Who Took Vegas for Millions

面白さ★★★★
易しさ★★★


MITの学生である主人公は、あるとき怪しげな学内グループに誘われる。それは数学を駆使してカジノで大もうけする集団だった…。


映画『ラスベガスをぶっつぶせ』の原作となった実話です。作者のBen Mezrichはいかさました本人ではなく、本人にインタビューして書いた作家さんです。取材ではかなり体を張ってますが大丈夫なんでしょうか。
映画のほうは参加する動機やラストのあたりをうまくまとめてますが、原作ではそんなことはなくてもっと破滅的でおっかなかったのでした。

鍵となるブラックジャックいかさま必勝理論の説明はやはり本のほうが詳しくて分かりやすいです。
同じカジノいかさま物としては『カジノのイカサマ師たち』がありますが、作戦こそ違えど共通点は多いです。
一旦カジノ側に目をつけられたら延々とイカサマ軍団VSカジノ監視員とのいたちごっこが続き、ラスベガス以外のカジノでも要注意人物扱い、チームプレイがうまくいかずに仲違いしてやむをえず別行動をとったりと、単にいかさま技術があるだけでは稼げないのが面白いところ。結局はいかさまでも泥臭く人間に揉まれて努力しないと儲からないということでしょうか。


本作の主人公達はプロのイカサマ師ではなく結局は学生です。表側は優秀な学生、裏側では毎週末ベガスに飛んで見たこともない大金を稼いで騒ぐ二重生活を送る彼らも決して成功続きではなかったのでした。
いかさま作戦ももちろんながら、カジノをとりまく人々の話も垣間見えて興味深い内容です。