Moondust/Andrew Smith

Moondust: In Search of the Men Who Fell to Earth

Moondust: In Search of the Men Who Fell to Earth

面白さ★
易しさ★


60年代以降のアメリカ有人宇宙飛行計画に興味がない方は、手を出さなくていいです。
一見すると月面を歩いた元宇宙飛行士達へのインタビュー集で、"月"という特別な体験が彼らのその後の人生にどのような影響を与えたのかを探る、みたいな話にも思えます。
これなら宇宙計画に興味なくても面白いかな、と思って間違って買ってしまう人がいるかもしれないので言っておきますが、全然違います。


宇宙飛行士に何の興味もない人が間違って本書を手に取った場合、なんだかよく分からないおっさんたちがなんだかよくわからない話を延々まくしたてて終了、ってなインタビューを読まされるわけで、ここから何を得れば良いのかさっぱり分からないでしょう。




↓興味のある人向け↓
面白さ★★
易しさ★★★


読み終わって最初に思った感想は、


なんでそれっぽっちの材料で出版したわけ?


実際アマゾンのレビューには

・こんな内容なら題名は『僕とアポロ計画(インタビューもいくつか含む)』にしとけ!いや、俺は図書館で借りたから損害ないけど。これから読むって人は借りてきたほうがいいよ。
・これはお前の日記帳じゃないんだ、チラシの裏にでも書いてろ、な?
・そりゃアームストロング船長も世捨て人みたいになるわな、こんな奴らに付き纏われたら。

http://www.amazon.com/Moondust-Search-Men-Fell-Earth/dp/0007155425

などと書いてあり、みなさんさすがこの本のことを余すことなく見事に表現しています。


いいところとしては、アポロ宇宙飛行士達が世間からまるっきり見世物的に扱われている現状と、そんな中で第二の人生を強制的に探さなければいけなかった彼らの境遇がよく伝わってくることが挙げられます。
作者がインタビューでなにも聞き出せなかったりそもそもインタビューできなかったりするのも、この辺に原因があるとすれば非常によく納得できます。

そして作者もこのことはよく分かってんだからテーマをそっちに絞れば良いのに、そうしないからこんな本になっちゃったんじゃないでしょうか。
おそらくこの人が宇宙飛行士の誰と話をしても、本書後半のジーン・サーナン氏との会話のようなかみ合わない物になると思います。
お茶の最後の苦ーいところだけを集めたような内容ですが、もしそれでも飲んでみたいなら是非。