Code to Zero/Ken Follett

Code to Zero

Code to Zero

面白さ★★★
易しさ★★★★


目が覚めると、自分はどこかのトイレにいた。名前も過去も思い出せないまま…。


完全記憶喪失のホームレス状態から、自分の過去を徐々に探り当てる過程が面白いです。
何が真実で何が嘘か、途中まで全然分かりませんでした。
そりゃまあ最後はそうなるんだろうけど、そうなるまでのストーリーは見事なものになってます。

過去の話がオーバーラップして語られるのも雰囲気が出ていて良いです。
登場人物の人間関係がまたうまいことなってんですわ、これが。


一方マイナスなのは後半の展開です。残念ながら追跡劇が予定調和になってしまい、「そのヒントで主人公の居場所を推測するのはちょっとできすぎでは?」と思えるところがあります。すんでのところでかわす、という流れにしたいのは分かるんですが。

それから悪い奴らの動機がとってつけたようでいまいち…。
そんな理由でそんなことするかなあ、と思いました。
おかげで最後がなんとなくしっくりこないんですよね。


英語は簡単で、ロケットや兵器の専門用語が出てきたりはしませんので大丈夫です。
最初のほうは敵味方分からなくて作者の思惑通り混乱させられますが、
一度ストーリーが見えてきたらテンポ良く読めるはずです。