Improbable/Adam Fawer

Improbable: A Novel

Improbable: A Novel

面白さ★★★
易しさ★★★★


出だしから主人公が奇妙な状況に追い詰められてしまいます。
展開としては、最初に謎をばらまいておいて、それらをきちんと回収しながらテンポ良くサクサクいく感じ。


こういうありえないことが起きる設定のストーリーは、ちゃんと読めないとえてして途中からなんだか良く分からなっちゃう可能性があるものです。
そこいくとImprobableは文章が読みやすいので、はじめのほうの良く出てくるけど知らない単語を調べる作戦をきちんとやっておけば、置いてけぼりを食らうことはないでしょう、たぶん。


しかし、読む前に"これは面白い小説だ!"という期待があった分、実際読んだら普通でした。やはりあらかじめ期待しすぎるとダメです。
登場人物がなんとなく薄っぺらい。類型的というかありがちなのが原因かも。

例えば女スパイが出てきたと思ったら、すかさず生い立ちからなにからぜーんぶの情報を一気にナレーション的な感じで説明されちゃいます。


いやー、そこはやっぱりストーリーが進むにつれて徐々に明かされていくもんでしょー。
それに敵か味方か(善玉か悪玉か)後半まで微妙にはっきりさせないほうがハラハラするのに。

そして敵がアホなんで最後の直接対決もしょっぱい結果。あれはない。


結局、SF要素がこれくらいならもっとアクションをがんばんなきゃダメだし、途中の主人公達の行動がこれならSF部分をもっとひねらないと全体的に物足りない。

というわけでうまいこと伏線は回収するものの、そもそもストーリーとキャラが普通なので★3つです。