Moon Shot／Alan Shepard, Deke Slayton

Moon Shot: The Inside Story of America's Race to the Moon

面白さ★★★★★
易しさ★★★

アラン・シェパードとディーク・スレイトンの共著、と見せかけて実際は別の人が書いたドキュメンタリー小説です。
時期としてはマーキュリー計画からアポロ‐ソユーズまで。

読む前は、どうせいつもと同じエピソードばっかりだろうとたかをくくっていたのですが、予想以上に良い本でした。
確かに新しい裏話もないし、ところどころで世間的に広く受け入れられている話と違う記述があったりもします。
しかし、全体的にいえば非常に読みやすく書かれています！
あまり興味の持てないような細部には立ち入らずに、それでいて宇宙開発競争の流れを理解するのに必要な情報は背景としてきっちり描いているところが最大のポイント。
このおかげで、いままでアポロ系の本を読んで得た知識が頭の中でだいぶ整理された気がします。

あと、各章で書き出しからいきなり本題に入っているのも高評価です。
さらに、途中でたくさん登場する宇宙飛行士達について、それぞれ細かい生い立ちに踏み込むことなくそれでいて人物像はきちんと伝えているワザもあります。
このおかげで、一見自伝風でありながら実は「あきらめない中年の逆襲劇」であるという本書の構成に無駄がなくなっていると思います。
さらっと読めて中身がちゃんとあるので、もともと興味がある人にはおすすめです。