Twilight Eyes/Dean Koontz

Twilight Eyes: A Thriller

Twilight Eyes: A Thriller

面白さ★★★
易しさ★★★

わけあってサーカス一座に拾われた主人公には特殊な力があった。それは人を装いながらも人ではない、魔物を見抜く力だった…。


本当は半分くらいの長さだったのを、後で書き足してこのボリュームになったとあとがきに書いてありました。
だから2部構成になっています。
登場人物はいつものように不幸な生い立ちのアウトサイダーたち。
でもこれまたいつものようにキャラが立っててついつい感情移入してしまいます。


この作者が描く最も重要なパート、それは序盤の不思議現象に始まって徐々に迫りくる“something”、このなんだか得体のしれない“something”にいかにハラハラできるか、というところにあります。
だから実際ふたを開けてみて、その種明かしがまるっきり肩すかしでもいいやとあきらめることが必須といっても過言ではありません。


そういう意味で本作品のストーリーは、まあこんなもんかなあという感じです。
魔物を説明するその仕掛けは結構好きで、手塚治虫火の鳥○○編を見てるようでしたが、その後の結末へと至る流れはしっくりきませんでした。


それにしても、クーンツの文章は慣れると本当に読みやすいですね。
なんとも大げさな例えとか時々まどろっこしい書き方とか、この話は特にいつにもましてくどくどしい気もしましたけど、それでも慣れたら読みやすいのです。