John Rain Series/Barry Eisler

1.Rain Fall
2.Hard Rain
3.Rain Storm
4.Killing Rain
5.The Last Assassin
6.Requiem For An Assassin


ターゲットを自然死に見せかけて消す暗殺者John Rainが主人公のアクションシリーズ。
魅力はなんといっても主人公がアメリカ人と日本人両方の血を受け継いでいることでしょう。
というか、作者自身、元CIAで日本にも住んでたことがあって黒帯。
しかもめっちゃイケメン。
ありえません。


このシリーズがそこらへんのアクション小説と違うのは、とにかく段取りが細かいこと。
何するんでもいちいち指紋を拭き取ったり尾行がついてないか確認したり待ち伏せされないように周囲を観察したりします。
こういった描写にこだわる=リアル、というほど単純なものでもないんでしょうけど、ディーン・クーンツの絶体絶命ものと同じく、細かい状況の描写によって読者が主人公目線でストーリーを楽しめるんだと思います。


さて前半のお楽しみである登場人物の日本語セリフは、文章自体はあってるのですが丁寧語とタメ口が入り混じっていて逆に混乱します。
“レインさん、しょうがないね。じゃあ気をつけろよ。”


Rain Fall
面白さ★★★
1作目はいろいろ詰め込まなきゃいけないからこんなもんかな?といった感じ。
後半はダメなGR展開になってしまいました。
日本描写はかなり正しいと思うのですが、ラスボスの名前“やまおと”は残念。山本で良かったんじゃ…。


Hard Rain
面白さ★★★
これまたGR展開のストーリー。広げた風呂敷をあわてて畳んだせいでご都合主義に。
また、敵のヤクザたちが小物っぽいのも盛り上がりに欠けます。


Rain Storm
面白さ★★★
このシリーズは、本作からガラッと雰囲気を変えてきます。
あいかわらずレインさん、強いすな〜。
また読者サービスも忘れてはいません。
巻末に記載の、暗殺者から身を守るセキュリティー講座もなかなか勉強になりました。


Killing Rain
面白さ★★★★
前作から始まったテコ入れが効いたのか、結構面白いシリーズになってきました。
派手などんでん返しがあるわけではないし、オチも予定調和といってしまえばそれまでですが、それでも不思議と次が気になるストーリーなのです。
登場人物にも味が出てきて、1作目ではありえなかったような掛け合いも。
今回も巻末に、いかにして尾行を撒くかについてのTipsあり。


The Last Assassin
面白さ★★★★
アクションシーンもさることながら、キャラクターの持つ魅力もどんどん増しています。
主人公達がやろうとする、なんつーことはない無謀な作戦でさえ応援している自分がいます。
タイトルに込められた意味を考えると、グッときます。


Requiem For An Assassin
面白さ★★★★
巻が進むごとに話の舞台もスケールも大きくなってきてます。
正直言って本作の主人公の心の葛藤にはついていけない面もありましたが、追い詰められた状態から巻き返していく話の展開にはたまらないものがあります。
この作品は、これまでの登場人物オールスターズみたいな感じでした。