Inviting Disaster/James R. Chiles

Inviting Disaster: Lessons From the Edge of Technology

Inviting Disaster: Lessons From the Edge of Technology

面白さ★★★★
易しさ★★

人災事例集。それぞれのエピソードが物語風に紹介されており、どうしてそんなことになったのかが説明されている。
少し読みづらいのは話が前後するからでもあるが、なによりも一番の原因は最初に「人災・事故」の類型を示すなどして全体の枠組みを明らかにしなかったからではないかと思います。
このせいで、本書がただのエピソード集になってしまっているというか、個別の事例がそれぞれ「人災学」みたいなものの中でどこに位置づけられているのかが見えなくなっています。


それはそれとしても、出てくる事故は興味深いものばかり。正しいかは別にして一応の原因も書かれています。
特に10章のミネアポリスの一件はまるでTVドラマかマイケル・クライトンの小説か?というくらい悲しくもきれいにまとまっています。(その直後に11章の冒頭にマイケル・クライトンの名前が出てきてビックリしました)


この手の事件事故ものはまとめのところが弱いことが多くて本書もその一つです。
柳田邦男氏みたいにじゃあ今後どうするかという点についてしっかりした分析がされた本を期待して読むとがっかりするかもしれません。