Life Support/Tess Gerritsen

Life Support

Life Support

面白さ★★
易しさ★★★

救急救命室に運び込まれた老人が治療中に姿を消した。それは主人公を襲う奇怪な事件の始まりにすぎなかった…。


主人公はERに勤める医者Tobyです。そして次々と苦しめられます。逆境ものなのでいつかは報われるんだろうと思いながら読んだのですが、ちょっと違いました。
他にもTobyに味方をしてくれたり、Tobyが気にかけたりする人たちがことごとく不幸に見舞われます。これもいつかは報われるんだろうなと思い読み進みましたが、違いました。途中で胸がスッとするようなエピソードが一つでもあれば良かったんですが、そんな優しくないです。

肝心の謎解きについては、普通の主人公なら中盤に差しかかるあたりでとるであろう行動に、のこり30ページくらいでようやく取り掛かります。要するに展開が異常に遅いです。最後のほうのDvorak医師の行動も描かれていないので、ご都合主義にすらなっていません。


正直言って、これは主人公視点がミスリーディングになっていて、Tobyの主張はたんなる妄想・ヒステリーにすぎないというどんでん返しが待っているのだと思いながら読んでいました。もちろんこれも違います。

読者も登場人物も誰も報われないし誰も得しないという珍しい作品でした。