The face of death／Cody Mcfadyen

The Face of Death (Smoky Barrett)

面白さ★★
易しさ★★★★

自らも殺人鬼との対決の過程で（ネタバレになるので書きませんが）辛い目に遭ったFBI捜査官が、同じような境遇に苦しむ少女を救おうとするストーリー。

『Shadow Man』の続編です。で、続編だと知らずに読んじゃったせいで面白くなかった部分もあるかもしれませんが、仮にそこを割り引いたとしてもとにかくひどい話でした。
痛手を負った少女の心を少しずつ開いていこうと頑張るところだけ見れば、まあそういう話はあるかなと思うのですが、犯行があまりに残酷・冷酷・非道で肉体的のみならず人間の尊厳の根本的なところまで奪って愉快という描写は果たして必要なのかと感じます。

もちろん架空のお話なので好きなように書いたらいいんですが、不快にさせるならその分バランスをとってもらわないとなんとも気持ちが収まらないのです。でも取り返せないくらいの残虐行為なので、はじめからハッピーエンドはありえないストーリー展開です。なので、これは正直読まなくても良かったかな…。

そして、それならそれでいっそのこと犯行を楽しもうと考えて読んでいくと、今度は状況設定がありえない。
そんな上手いこと計画通りに事務的に殺せるわけないし、計画通りに誰にもばれないわけないし、最終的に犯人がいろいろ殺すこと優先で舞台を組んじゃってるので、こっちが想像力を使う余地がないです。ま、どうせ死ぬんでしょ的な。

というわけで、スリルも現実味もキャラもいらないからとりあえずグロ系殺人ものが読みたい人におすすめです。