The Charm School/Nelson Demille

The Charm School

The Charm School

面白さ★★★★
易しさ★★★

冷戦期、モスクワ近郊に米兵を監禁している怪しげな施設があるとの情報が流れる。果たしてこの施設の正体とは…。


主人公はモスクワ駐在のアメリカ大使館にいるので周りは完全に敵だらけ、ソ連らしさ満点の陰鬱で緊迫した書き方も雰囲気があります。
このままだとただ暗い話ですが、主人公がふざけた中年でずっとふざけ通すのでちゃんとプラマイゼロです。

本来シリアスな場面でも冗談言いながら実はちゃんと計算していて、憎らしい敵役にはどんな状況でもsarcasm一択の返答でイライラさせるふてぶてしさを見せるデミル得意の主人公像はここでも健在なのでした。

孤立無援の敵地で何でもありのソ連側と対等に渡り合う大使館員達がなんともかっこよく、それだけに予定調和を消化するがごとく後半一気に望まない展開になってしまったのがほんのちょっと残念でした。なんというかありえねーっていうことが続くもんですから…。
まあ結局のところ、残りページを考えるとそういう展開にはなるよな、という感じの諦めはつくんですけどね。