Moment of Truth/Lisa Scottoline
Moment of Truth (Rosato & Associates Series)
- 作者: Lisa Scottoline
- 出版社/メーカー: HarperTorch
- 発売日: 2001/01/01
- メディア: マスマーケット
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易しさ★★★★
殺人を自首してきた男の弁護をすることになった敏腕女性弁護士の活躍を描いた作品です。この話のひねり部分は、ふつうなら無罪になりたい人のために無罪の証拠をさがしていくところを、有罪になりたい人のために無罪の証拠をさがすところにあります。
ただ、ほかの要素をいろいろ詰め込みすぎたせいか話の流れがぼんやりしちゃってる気がします。
数ある小説のなかで、ああ惜しいなーここの設定さえなければなー、という話はけっこうありますよね。例えば、
- 途中まで謎が謎を呼んで盛り上がるのに、伏線を回収しないまま終わっちゃう。
- 途中まで謎が謎を呼んで盛り上がるのに、無理やり伏線を回収するもんだから話が破綻しちゃう。
- 伏線もちゃんと拾うから話は破綻してないけど、そもそも拾い方がそれかよ!ってなっちゃう。
- ちゃんと解決するけど、主人公たちの行動や敵の行動に無理があるので話に入り込めず置いてけぼりくらっちゃう。
- そもそも設定がダメすぎて最初からついていけない。
Moment of Truthの場合はその辺りぬかりなく、きちんと盛り上がって伏線も回収してくれます。それでもそれでもやっぱり惜しいなー、と思ってしまうのは、解決までの流れがちょっと無理してるからでしょう。あと敵が若干バカだったかも。
ただし、文章が平易でひっじょーに読みやすくしかも展開に勢いがあるので、おそらく途中で脱落したりせずに読み終われるはずです。ですのでちょっとストーリーがドタバタしている点に目をつぶりさえすれば、とてもお気楽に読める作品です。重い本と重い本の合間に息抜きとして読むといいかも。
※このタイトルの"Moment of Truth"というのは、辞書には「決定的瞬間」などと載ってます。単純に「真実の時」だと思ってました。