Intensity/Dean Koontz

Intensity

Intensity

面白さ★★★
易しさ★★★

凶悪な殺人鬼にたった一人で立ち向かうはめになった女性の話。


いきなりピンチに陥って、そのまま最後まで絶体絶命の状況が続きます。一つクリアしたと思ったらまた次の難題が待っていて、息をつく間もありません。
それとホントは途中で逃げちゃってもいいんですけど、どうしても逃げ出すわけにはいかない理由ができてしまうのです。例えばこの理由がしっかりしてないと、読んでるほうは主人公が危なくなるたび「警察呼べば良いじゃん」とか「逃げれば良いじゃん」と思ってしまうものですが、この話では作者の状況設定のうまさに毎回「この状況ではこれしかないか」と納得してしまうのです。話の筋は非常に単純なものの、細部が練られていて緊張感があります。

いまいちなのはピンチの切り抜け方がわりと力技なとこ。主人公は観察力も優れているし知的で勇敢な設定なので頭脳対決の方が合うと思うんですが、要所要所でエイヤッ!といっちゃうんですよね。終わり方が良いだけに、そこんところちょっと残念でした。